妊娠初期にみられる悪心、吐き気、嘔吐、嗜好の変化、唾液の増加などの症状をまとめて、『つわり』と呼んでいます。私も体験しましたが、初めての方にはビックリの体験ですよね。
つわりは妊娠初期の妊娠4~6週頃に始まる人が多く、妊娠8~10週頃に症状がピークをむかえることが多いようです。その後次第に落ち着き、妊娠12~16週頃に終わることが多いです。
つわりの症状や時期は人それぞれで、なかには全くつわりを感じない人や、逆に妊娠中ずっとつわりに悩まされる人もいます。
つわりの対策方法は人によって効果が出たり、出なかったりするので、いろいろと試して少しでも楽に過ごせるようにしてみましょう。
つわりの原因は?
つわりが起こる原因で有力な説は、将来胎盤になる絨毛から分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンが急増し、体が変化についていけず、拒否反応としてつわりの症状が出るといわれたり、そのホルモンが脳を刺激して、不快症状が起こるといわれたり、そのほかに黄体ホルモンの影響で胃腸の不快症状が現れるともいわれています。
また、人には体の中に入ってきた異物を排除しようとする働きがあります。半分がお父さん由来の赤ちゃんは、異物とみなされ、アレルギー反応のようなものとして、つわりがおこるのではないかという考えもあります。
いずれにしても、体の中ではこれまでにない劇的な変化が起こっているのですから、体がそれについていけなくなっているということだと思います。それでも、「赤ちゃんが発育していくのに、最高の環境に変えていこう」と、お母さんの体の中は反応しているのです。
ストレスをためないで!
気持ち悪くっても、お腹に赤ちゃんがいるんだから無理してでも食べなくっちゃ、けれど食べられないし…そう思うことでまた負担になる…なんていうことはありませんか?
そんな風に思うとなおさら辛くなってしまいます。妊娠初期はまだ赤ちゃんも小さいので栄養をたくさん摂る必要はありません。つわり中の偏食は自然なことで、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
食べられない人もこの時期は少しぐらいの体重の減少は仕方ありません。あまり食べられないことに神経質になってストレスをためこまないようにしましょう。
つわりの種類
つわりと言うと吐き気を連想する方が多いのではないでしょうか? つわりには吐く以外にも種類があります。吐き気だけがつわりの症状ではないので、自分はどのタイプのつわり症状が出ているのかを把握し無理はしないようにしましょう。
◆吐きづわり
代表的なつわりの症状です。食べるとムカムカと気持ち悪くなり吐いてしまったり、においなどで気持ちが悪くなって吐いてしまったり、大好きな食べ物のにおいでさえも吐き気をもよおす症状です。その為、食欲が無くなり、偏食になってしまいがちです。1日中このような状態の方もいますし、ある時間帯だけ匂いに敏感になる方もあるなど症状には個人差があります。
まったく食事がとれないようであれば、我慢しないで担当医に相談してみましょう。
~吐きづわりの方に~
食べられなくて赤ちゃんの栄養が足りるかしら?と心配になるかもしれませんが、栄養は赤ちゃんに優先的に回されるので、妊娠悪阻(つわりの重症なタイプ)でない限り大丈夫です。つらい時は栄養バランスなどはあまり気にせず、食べられる物を食べたいだけ摂りましょう。食べ物がダメな時は飲み物だけでも大丈夫です。
≪おススメの食べ物・飲み物≫
- 消化の良いもの(おかゆ、煮物、温野菜など)
- 水分の多いもの(ヨーグルト、プリン、ゼリー、乳酸菌飲料、野菜スープなど)
- 酸味を利用してさっぱり食べる
(すし飯、酢の物、サラダ+ドレッシング) - 喉ごしがよいもの
(アイスクリーム、炭酸飲料) - 自分で作らない
(作っていると気持ちが悪くなるときは買ってきたり作ってもらったりするとよいですね)
◆食べづわり
常に何か口にしていないと気分が悪くなるといった症状が出ます。症状には個人差があり、小腹が空いた時に気分が悪くなる方や、食べないと気分が悪くなるので食べるけれど吐いてしまう、といった、吐きづわりと食べづわり両方の症状が出る方もいます。食べづわりの方は、食事をとる事は出来るので栄養面では心配はないのですが、急激な体重増加に注意するようにしましょう。
~食べづわりの方に~
食べづわりは 食べていないと気持ちが悪いので、つい食べ過ぎてしまい、体重がどんどん増加してしまうことがあります。体重が増えないようにと我慢していると、ストレスがたまりさらに症状がひどくなって、逆に食べ過ぎてしまうこともあるので、食べ物を工夫したり、気分転換をしたりしてみましょう。
- 1回の食事量を少なくして回数を増やしましょう
- 空腹にならないように、すぐ食べられる物を用意しておきましょう
- お菓子等を食べ過ぎてしまう時は、必要な分だけ買うようにして、買い置きをしないようにしましょう。
≪おススメの食べ物・飲み物≫
- エネルギー(カロリー)が低く、よく噛んで食べられる物
こんにゃく、春雨、生野菜、根菜類、寒天、ゼリー、昆布、スルメ、煮干し、野菜スープ、ガム、飴 など - 食べるのに時間がかかる物
グレープフルーツやぶどうなどの果物
◆においづわり
食べる時も作る時も辛い。今まで平気だったにおいが突然気持ち悪くなる、というにおいづわり。温かい食べ物のにおいや、部屋のにおい、電車のにおいなど、人によってダメなにおいはさまざまです。
「つらい」「ダメだ」と思い込みすぎないことが大切です。
できるだけ苦手なにおいは避けて過ごしましょう。
◆眠りづわり
寝ても寝てもまだ眠たい・・・というのが眠りづわりの症状です。常に眠くてダルいといった軽い症状から、眠気が我慢出来ず、気付けば仕事中にも関わらず居眠りをしてしまうという、生活に影響を及ぼすほどの強烈な眠気に襲われる方もいます。眠りづわりの注意点は、常に眠い状態なので判断力も鈍り、強烈な眠気に襲われて無意識の内に眠ってしまうという事があります。車の運転や調理は危険です。仮眠が取れるような状況であれば、無理せず仮眠を取るようにしましょう。
◆よだれづわり
マイナーなつわりの種類ですが、耳にしないだけで意外と多くの方が経験されているようです。
よだれづわりは、唾液の分泌量が増えるだけでなく、自分の唾液の味に不快感を感じて飲み込む事が出来なくなります。症状がひどいと自分の唾液の味で吐き気をもよおす方もいます。人によっては、飴などを舐めると唾液の味が気にならなくなり、気分の悪さが和らぐという場合もあります。自分が食べられる物の中で、唾液の味を紛らわす事が出来るものを見つけましょう。
食の好みの変化
今まで食べる事の出来なかった食べ物が食べられるようになったり、逆に好きだった食べ物が嫌いになったりする事があります。もし、食べたいものが高カロリーであったり、添加物が多く含まれるものだったりする場合は、気に入る他の物を見つけるように工夫しましょう。
妊娠悪阻(にんしんおそ)
つわり症状が悪化し、脱水、栄養障害、代謝障害をきたして入院となるほど重症になることです。
- 朝から晩まで吐いている
- 体重が4~5kg減った
- 水分を受けつけない
- 尿がほとんど出なくなった
- フラフラする
このような症状が出たら、病院に行って主治医の先生に診ていただきましょう。
毎日の生活で
つわりの時でも、時には、散歩や買い物などで気分転換しましょう。その際は人ごみを避け、安全で無理のない程度に。
趣味に集中するのもよいでしょう。趣味が無い人は生まれてくる赤ちゃんに、縫い物や編み物などでプレゼントできるものを作るのもよいですね。
最後に
つわりは辛いことも多いですが、あまり落ち込んだり閉じこもったりせず、赤ちゃんが元気な証と思って、頑張って乗り切りましょう。
私もつわりが辛い時に、主治医の先生から、『お母さんが辛いということは、赤ちゃんが元気に育っている証拠ですよ。』と言っていただき、安心し楽になった経験があります。
赤ちゃんと一心同体の時間はわずかです。ぜひ、マタニティライフを楽しみましょう。
ツナトマトのあっさりそうめん
材料【2人分】
そうめん | 200g |
カットトマト(缶詰) | 250g |
ツナ缶 | 40g |
貝割れ菜 | 1/2束 |
塩昆布 | 大さじ2 |
オリーブ油 | 小さじ1 |
塩・こしょう | 少々 |
作り方
- ツナ缶は油を切ります。貝割れ菜は根元を切り落とし、長さを半分に切ります。
(貝割れ菜は、大葉やブロッコリーの芽などで代用してもOK!) - ボウルに、カットトマト、ツナ缶、塩昆布、オリーブ油、塩、こしょうを入れ、混ぜ合わせます
- 鍋にお湯をわかし、そうめんを茹でます。茹で上がったら、水を切り、流水で冷やします。
- お皿に、そうめんを入れ、2 をかけて、貝割れ菜を散らします。
調理が簡単でさっぱりと食べられるメニューにしました。
つわりの時期におススメのメニューということで、冷たいメニューにしましたが(温かい料理はにおいが気になって食べにくいので)、においが大丈夫な方は温かくして召し上がっていただいてもOKですよ。