初夏にもかかわらず、この時期は真夏並みの強烈な紫外線による肌へのダメージが心配ですね。
紫外線を浴びるとメラニンが増えてシミができるだけでなく、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンといった成分を破壊する酵素が増え、たるみやしわを増やしてしまいます。
今回は紫外線が気になるシーズンに摂るべき食材と、その効能についてお話いたします!
中医美容学的シミの原因
中医美容学ではシミは「瘀血(おけつ)」という、血の流れの悪い状態が引きおこした結果あらわれるもの、と考えます。
紫外線は体にとっては外邪の一種「毒熱」というものです。毒熱は有害物質として体内に侵入し、体の細胞を傷つけてサビさせる「活性酸素」を生みだします。これが血液を滞らせ、体を潤す水分をドロドロにさせます。
このことから、紫外線を浴びることで瘀血の状態が進行し、血のめぐりが悪くなることで新陳代謝も下がります。次第にメラニン色素の沈着が進み、頬骨のあたりにシミやそばかすが気になってきます。またみずみずしさが不足して肌も潤い不足となり、乾燥して小じわが増えるというおまけ付きです。
瘀血になる原因は、日焼けによる影響はもちろんのこと、体の冷えや貧血、体質的な体液不足でも起こりますのでご注意を!
紫外線のシーズンにおススメの食材
毒熱による活性酸素を除去する「抗酸化作用」の高いもの、血をサラサラにして体内を潤すものを積極的に摂ります。
(おススメ食材)
トマト・・・薬膳では紫外線対策の食材と言えば、ずばりトマト。毛細血管を強化し血液をサラサラに保ちます。トマトの赤い色素のリコピンという成分は、自己を紫外線から守るために生み出された成分で、強力な抗酸化作用を持ち、紫外線による身体の老化を防ぎます。また体をみずみずしく保つ働きもあるので、ドロドロ血を防いで血液を浄化し、シミくすみを改善します。
はと麦・・・はと麦は薏苡仁(よくいにん)という生薬で、身体に余分な水分があるときは排出させ、逆に乾燥する部分には水分を留まらせ、みずみずしさを保ってくれるという素晴らしい美肌食材です。昔から化粧品の原材料にも使われるほど肌を美しくする作用があると考えられ、乾燥しがちな肌を潤しキメを整えます。中国では白い生薬は肌に良いとされ、パックの原料として使われたりもしています。
(トマト&はと麦 おすすめの食べ方)
トマトの効能をさらに増強させるこの時期のおすすめの食べ方は、「酢や良質のオイルと一緒に摂る」という方法です。
酢に含まれるクエン酸は疲労回復を助け、汗で流れ出やすいミネラル分の吸収率を高めます。さらには酢の効能にも瘀血を溶かすという働きがあります。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸やビタミンEにも抗酸化作用があり、紫外線による皮膚のダメージに働きかけ、細胞の老化を防ぎます。亜麻仁油はオメガ3系の不飽和脂肪酸を多く含み、血液をサラサラにして肌荒れを解消します。
はと麦はしっかりと洗うことで、はと麦独特の臭みを落としてから茹でて料理に使います。
プチプチした食感が楽しく、ご飯に混ぜて炊いた「はと麦ごはん」、おかゆにいれて「はと麦がゆ」としてもおいしく食べられます。今回ご紹介するレシピのように、具だくさんのスープに入れる方法もおすすめです。
紫外線対策薬膳レシピ
トマトの美白ジュース
トマトは抗酸化作用と血液サラサラ効果、豆乳は体液を増やして肌を潤します。メープルシロップの甘みが加わることで、まるでフルーツトマトを使ったかのようなおいしい美白のドリンクになります。
(材料)2人分
トマト1個、無調整豆乳150cc、亜麻仁油大さじ1、メープルシロップ大さじ1。
(作り方)
トマトはヘタと皮をむいてざく切りして、ほかの材料とともにミキサーに入れて撹拌する。
トマトのバルサミコ酢マリネ、トースト乗せ
このマリネ液の配合を覚えておくと前菜作りにとっても便利!モッツァレラチーズを添えてもおいしいです。トマトの代わりに茹でたアスパラガスや、焼いて皮を取ったパプリカ(赤ピーマン)を漬け込んでも。
(材料)4人分
ミニトマト2分の1パック、バジルの葉5~6枚、トースト2枚。
(バルサミコソース)
バルサミコ酢大さじ2、しょうゆ大さじ1、オリーブオイル大さじ2、砂糖小さじ1、塩・粗引き黒こしょう少々、ニンニク1片少々。
(作り方)
- ミニトマトはヘタを落として4つに切る。
- ボウルにバルサミコソースの材料を合わせて、1のトマトとちぎったバジルの葉をマリネする。
- 食パンを焼いてトーストにし、食べやすい大きさに切って、2のソースを乗せて食べる。
はと麦入りミネストローネ
はと麦が一番おいしく食べられるレシピがこれ!肌の美しさを存分に引き出す美肌スープです。
(材料)4~5人分
はと麦 茹でた状態で50g、トマト2個、玉ねぎ2分の1個、にんじん2分の1本、赤ピーマン(パプリカ)1個、セロリ2分の1本、ベーコン3枚、水800cc、コンソメ顆粒大さじ1、塩小さじ1、粗引き黒こしょう適量
(作り方)
- はと麦は何度も水を換えて手でこすり合わせるように洗い、水に一晩漬ける。充分膨らんだら水を換えて適宜水を足し、柔らかくなるまで茹でる。
- 野菜とベーコンはすべて1センチ角に切っておく。鍋にオリーブオイルを熱し、全ての材料を入れて炒める。
- 水を加え、材料が柔らかくなるまで煮る。
- コンソメ顆粒と塩コショウで味を調える。