【赤堀真澄の薬膳コラム】 5月号 胃痛・胃もたれの中医学での考え方と薬膳

中医学では胃痛の原因はスムーズに流れるべき胃の気血が滞ることによって起こると考えられています。胃は口から入ってきた飲食物を受け入れる搬入会社です。食物を受け入れて細かく消化し、腸へ降ろしていくという働きを担っています。そのため胃の気は下へ降りるのが正しい向きになります。この胃の働きが衰えると、消化不良をおこすだけでなく、胃の気が逆流して「胃気上逆(いきじょうぎゃく)」といわれる上方向への気の流れの異常となって現れます。これがムカムカや吐き気などの胃もたれ、げっぷやしゃっくりといった症状です。

胃痛・胃もたれの主な原因

胃の気血の流れが悪くなる原因としては
①ストレス ②冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎ ③暴飲暴食 が挙げられます。
人の情緒を司る「肝」は脾胃の消化を助ける働きもあります。いやなことや心配事があると、胃が痛くなったり食欲がなくなったりするのはこのためです。また、冷たい食べ物ばかり食べるのも胃の気血の流れを悪くしますし、暴飲暴食で次々と食べ物が入ってくると、働き過ぎの搬入会社(胃)の社員が「もうこれ以上は無理です!」と悲鳴を上げます。このサインとして、痛みを発したり胃もたれを感じやすくなります。

胃痛や胃もたれのあるときにおススメの食材

胃の不快感を解消する開胃(かいい)(=胃をスッキリ)作用のあるもの、胃気の上逆を改善する「降(こう)」の作用のある食材を摂ります。

(おススメ食材)
とうもろこし、にんじん、じゃがいも、里芋、白菜、青梗菜、りんご、大根、かぶ、キャベツ、パパイヤ、パイナップル、キウイなど。

(おススメの食べ方)
胃が弱っている時は、調理法も胃に負担のないようにしましょう。野菜は繊維を断ち切るようにカットして柔らかく煮て食べます。大根やかぶはすりおろすと、お腹に溜まっている未消化物の消化を促進して排出してくれます。キャベツや白菜は生のまま千切りして食事の一番初めに食べます。そうすると後から入ってくる油分や脂肪分を絡め取って排出するのに役立ちます。また食べ過ぎが続いた時には、酵素の多いパパイヤ、パイナップル、キウイなどをフルーツジュースにして朝ごはん代わりに飲みましょう。それ以外の固形物は食べないで過ごすと、朝の排泄を促してくれるデトックスジュースになります。

胃痛・胃もたれのあるときに食べてはいけないNG食材

胃は食べ物の影響をダイレクトに受けるため、おススメ食材のほかに胃の不快感があるときに食べてはいけないものについても知っておきましょう。

(NG食材)
冷たい食べ物や飲み物、香辛料や刺激物、消化に悪いごぼう、たけのこ、れんこん、硬い肉、脂身の多い肉、揚げもの、砂糖たっぷりの甘いスイーツ、塩分の強いもの、酸味の効いたもの、味付けの濃いものなど。

胃痛・胃もたれ改善おすすめ薬膳レシピ

胃痛や胃もたれのあるときにはしばらく肉類や繊維の多い根菜は避けましょう。極力温かい・柔らかい・あっさりした味付けのメニューで過ごします。タラは白身魚の中でも高蛋白・低脂肪な食材で、脾胃の虚弱な状態によい食材。大根は消化を助ける酵素が多く、胃の働きが落ちて消化不良を起こしやすい時には最適です。胃もたれする時には必ずメニューに大根おろしを添えてみて下さい。

タラのおろし煮

(材料)2~3人分
タラの切り身3切れ、大根8センチ長さをすりおろして水気を切っておく、かいわれ大根少々。A(だし汁300cc、酒、しょうゆ、みりん各大さじ1、きび砂糖小さじ1)

(作り方)

  1. タラは分量外の酒を少々振りかけておく。大根おろしの水気を切っておく。
  2. 浅い鍋にAを沸かし、沸騰したらタラを入れて煮汁をかけながら4~5分煮る。
  3. 大根おろしの水気を切ったものを加えて1分ほど軽く火を通したら出来上がり。
  4. 器に身を崩さないように盛り付け、かいわれ大根を添える。

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