【赤堀真澄の薬膳コラム】 3月号「五色のチカラ・青」

まだまだ肌寒い日もありますが、自然界はもうすっかり春の到来です。
この春に積極的に摂るべき食材は「青い」食材です。

青い食材は緑の濃い葉野菜や、青背の魚を指します。これらに共通する効能は「気分スッキリまたは血液サラサラ」です!春になぜ気分爽快にしたり血の流れを良くする必要があるのか?その理由は「肝」という臓器の働きと、春の季節の特徴に関係しています。

自然界は春になると木々が芽吹いてどんどん上へと伸びていきます。この春の訪れで陽気が高まるにつれて、人の体も気が頭の方へ昇って、誰もがイライラしやすくなるとされています。この気の高まりに弱いのが「肝」という臓器です。ここはストレスに影響を受けて春になると異常をきたしやすい性質を持っています。

春の陽気の上昇に肝が影響を受け、顔がのぼせる、目が赤く充血する、身体の両脇(サイド)が痛む、生理前の下腹痛がひどくなる、すぐイライラしたかと思えば逆に不安や憂鬱な気分になるといった症状が出やすくなります。気の流れに異常が出ると、気に乗って流れている血の流れも滞ります。そのため春に摂るべき食材は「気血を流してストレス改善」という働きを持つものを積極的に取り入れる必要があるのです!

青い食材とはシソ、セリ、小松菜、三つ葉などの緑の濃い葉野菜や、サバ、イワシ、アジなどの青背の魚を指します。これらの青い食材には香りが良くて気を流したり、血液を浄化させて血をサラサラにする働きがあります。青い食材の薬効を頂いてこの時期特有の症状から身体を守ってあげましょう!

【春菊】

性=平 (身体を温めも冷やしもしないという意味)
帰経=肝・脾・肺(身体に入ると肝と脾と肺に入っていって効能を発揮)

  • 春菊は血液を増やし、イライラを緩和して気持ちを落ち着けます。
  • 肝の高ぶりを抑えて目をスッキリさせます。
  • 胃を丈夫にしてムカムカを取ります。
  • 痰を取り咳を止めます。

私もストレスを感じた時に「あ~~~アレが食べたくなってきた!!」と春菊を一番に思い浮かべます。食べるとホントに気分をスッとさせてくれる野菜です。鍋やお味噌汁の青味として使うだけでなく、春菊は白和えにすると、淡白な和えごろもの中で独特のほろ苦さが効いてくる私の一番好きなおススメの食べ方です。レシピをご紹介します!

~春菊の白和え~

(材料)
春菊1束、だし醤油少々。
白和えの衣として絹ごし豆腐1/2丁、白練りゴマ大さじ1、薄口醤油大さじ1/2、砂糖小さじ1 。

(作り方)

  1. 春菊は洗ったら熱湯でさっとゆで、根っこを落として3センチ長さに切って水気
    を絞る。
  2. 豆腐は熱湯で3-4分ゆでるか、キッチンペーパーで包んでレンジで2分チンし
    て水気を抜く。すり鉢に豆腐、練りゴマ、薄口醤油、砂糖を入れてすり混ぜるか
    バーミックスなどで全てを一緒にペースト状にする。
  3. 和えごろもと水気を絞った春菊を和える。

【せり】

性=涼(食べた後、身体をやや冷まします)
帰経=肝・肺・胃(効能が肝と肺と胃に作用します)

  • せりは血の汚れを取って血液サラサラにします。
  • 独特の風味が気を流して胸のつかえを取ります。
  • 肝の高ぶりを抑えて気持ちを安定させます。

関西人の私にとってせりはそれほどなじみがなく、薬膳を勉強してからはじめて食べるようになった食材です。漢方薬の中で血液を浄化してサラサラに流す代表生薬「川芎(せんきゅう)」に最も薬効が近いといわれる野菜だと知ったからです。多くの人は年齢とともに血液が汚れて流れが悪くなっています。もともと冷えを感じやすい人だけでなく、ストレスが多い、甘いものが好き、冷たいものをよく飲んだり食べたりする、脂っこく味の濃い食べ物を好むなど、食生活や生活習慣は血液をドロドロにしてしまう要素が実に多いと感じます。

せりはその独特の風味も手伝って、気血を流す最高の食材です。青味として散らすだけでなく、こんな感じで生のセリの風味をしっかり感じながら食べてみて下さい!

~セロリとせりと油あげの気めぐりサラダ~

(材料)
油あげ1枚、せり1束、セロリ1本。
(ドレッシング)米酢大さじ1、砂糖小さじ1、塩小さじ1/2、生姜汁少々を合わせておく。

(作り方)

  1. 油あげは熱湯で湯通しし、ギュッと水気を絞ってオーブントースターで2~3分強火で焼く。表面がパリッとしてきたら幅を半分にして細切りする。
  2. セロリは筋を取って棒状に切る。せりは根元を落として4センチ長さに切る。
  3. セロリの葉のざく切り少々、棒状のセロリ、せりに、合わせたドレッシングをかけて和える。

【いわし】

性=温(食べた後、身体を温めます)
帰経=肝・肺・胃(効能が肝と肺と胃に作用します)

  • いわしは気力体力を補います。
  • 血を増やして目を見えやすくします。
  • 血をサラサラにします。
  • 気持ちの高ぶりを鎮める働きがあります。

節分にいわしの頭をヒイラギに刺し玄関に飾って魔除けとする習慣がありますが、節分はこれから春へと向かう大きな季節の変わり目に、薬効高いいわしを食べて体調をくずさないようにという意味も込められています。安価で昔から日本食にもなじみ深いいわしですが、生臭さも手伝って敬遠されがちです。しかしそのイメージを払拭する、我が家の節分には恵方巻きとともに必ず登場する、また節分でなくても無性に食べたくなる、絶品の「いわしのつみれ汁」のレシピをご紹介します!仕上げの粉山椒はぜひ入れてみて下さい。ふわふわのつみれと山椒の香りで、日本人に生まれて良かった!と感じる感激の美味しさですよ~~!

~青じそと山芋入り いわしのつみれ汁 粉山椒の香り~

(材料)
いわし800g(約3~4匹)、長いも50g、卵1個、片栗粉大さじ2、青じそみじん切り10枚分、生姜みじん切り10g、塩コショウ少々。

だし汁1リットル、昆布茶大さじ1、塩適量、大根5センチ長さ分をイチョウ切り、味噌適量、三つ葉ざく切り、粉山椒適量。

(作り方)

  1. いわしは頭と腹を包丁で落とし、手開きして骨を取り除き、よく水洗いしてキッチンペーパーでしっかり水分を取る。
  2. フードプロセッサーに、しっぽを切ってぶつ切りしたいわしと長いも、卵、片栗粉、塩コショウを加えてスイッチを入れる。タネをボールに移す。
  3. 臭み消しに、青じそみじん切りとしょうがみじん切りを混ぜる。
  4. 鍋にだし汁を沸かし、いちょう切りの大根を加えて煮る。
  5. 大根に透明感が出たら中火におとして2のいわしのたねを手の中でもんでピンポン玉ぐらいの大きさにしてポトンポトンと落としていく。(ぐらぐらした中にいれない。つみれがくずれるため)
  6. あくをこまめに取り、みそをだし少量でのばし、ペースト状にしてから鍋に戻し入る感じでつみれを崩さないように加える。昆布茶と塩で味を整える。
  7. 湧いてきたところに三つ葉を加えすぐ火を止める。好みで粉山椒をふる。

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