【赤堀真澄の薬膳コラム】 9月号 「加齢のステージは7歳ごとに」

中医学で考えるエイジングは、女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢で節目が来るとしています。女性は7歳、14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳ごろに体に大きく変化が生じて、見た目や生理の状態、性機能が次の年代のステージへと変化していきます。中医学では老化を精(生命力)の減少によるものと説いています。人は生まれた時に両親からももらった精(生命力)を蓄えてこの世に生まれおち、年齢とともに親からの貯金(精)を使いながら生命活動を維持していくのですが、加齢に伴って精が減ってしまうことで様々な体の変化が生じていき、人は老化していくと考えています。そこで今回は年齢や体の変化のサインに応じてしっかりと内側からケアをしていくことで、この貯金の目減りに歯止めをかける食生活のすすめをご紹介したいと思います。アンチエイジングを食べるもので実践できれば、減ってきた精を食材のパワーで補うことにより、実年齢より若々しく見える、生活習慣病を予防できるなど、加齢の下り坂をいくらでも緩やかにしていけるのです。その年代のステージに合った食養生や注意事項を知って、薬膳の知恵が活かされた食養生で、いつまでも元気で若々しく過ごせるアンチエイジング生活を実践してみましょう!

1、生まれてから7歳で女の子らしく、14歳で初潮を迎える

7歳ごろに女の子は髪がフサフサと豊かに長くなり、永久歯が生えはじめます。この頃までの子供は内臓の働きが安定しない「形気未充」という状態で、特にお腹や呼吸器系、肌の機能が弱くデリケートで、すぐお腹を壊したり風邪を引いたり肌にブツブツが出やすかったり。そのため、それぞれの臓器がしっかりと働くよう「気」を充実させる食養生が大切です。
14歳ごろには初潮を迎え、急激に体が大人へと変化していきます。生理が始まるころには思春期と重なり、イライラしやすく血を消耗しやすいため、この頃はこれまでの補気だけでなく血を補う養生も併せて心がけます。

(補気補血し、未熟な臓腑に力を与えるおススメの食材)
米、雑穀類、卵(アレルギーがある場合は摂りすぎに注意)、まいたけ、しめじ、鶏肉、豚肉、牛肉、白身魚、かつお、まぐろ、にんじん、かぼちゃ、トマト、じゃがいも、山芋、キャベツ、緑の濃い葉野菜、りんごなど

2、21歳で体が完成、28歳が生殖能力のピーク!

21歳ごろに身長が伸びきり、女性としての体が完成します。28歳が身体機能や生理機能が最も充実した頃。生殖能力もピークを迎えます。この年代の女性に最も多いお悩みは、断トツに「冷え」!10代から引きずった気血の不足が慢性化して、体を温めるものや巡らせるものが不足するため、冷えを訴える人が多くなるのが特徴です。また28歳でピークを迎えるということは、ここから先が早くも老化の下り坂に突入したということ。この下り坂のカーブをいかに緩やかにしていけるかは、これからの日々の養生にかかっています。

(冷えを改善し、きれいな血液を作って巡らせるおススメ食材)
10代のおススメ食材に加えて・・・なつめ、金針菜、シナモン、黒豆、小豆、黒ゴマ、そら豆、大豆、さば、いわし、アジなどの青背の魚など

3、いよいよ35歳。「いままでの私」との違いを見せつけられる。

肌や髪、体のラインなど、見た目の表面的な部分から「あれ?」と思うことが増える頃。それほど大きな変化には見えなくても、体の内側では少しずつ女性ホルモンの減少が始まっています。夜更かしや徹夜をしようものなら、そのつけがありありと翌日の体に現れ、体の内外に少しずつ衰えを感じはじめます。今までのように無理が利かなくなったり、集中力や記憶力の低下を実感したりするでしょう。子育て真最中だったり、職場でも重要なポジションで頑張っていたりと女性が体力的に最も忙しい時期。にも関わらず、今までのように体が応えてくれなくなり、ストレスを感じることが多くて気の流れが滞り、長年の食事や生活のクセがたたって、血液が汚れてドロドロになっていくのもこの頃からです。

(気力体力をつけ、ドロドロ血を改善し、ストレスを軽減するおススメ食材)
山芋、なつめ、金針菜、クコの実、ハスの実、松の実、青い葉野菜、青背の魚、イカ、アサリ、たこ、シジミ、黒豆、黒ゴマ、黒きくらげ、黒酢、せり、セロリ、菊花、ミント、レモン、オレンジ、そば、なす、ニラ、シソ、玉ねぎなど

4、まだまだ人生折り返し地点。42歳から早期閉経に注意して、ここからがアンチエイジングに本腰を!

女性ホルモンが極端に減ることで、ハッキリと老化を感じる頃。白髪が増えたり体型が変わるなど見た目の変化だけでなく、顔の火照りや下半身の冷え、イライラ、憂鬱、疲れがたまる夕方には体がだるくてもう動けない、あちこち痛いなど様々な老化現象と向き合わざるを得ない現実が待っています。そこでここからがいよいよアンチエイジングに本腰を入れる時期!「減ったならば補えばいい」というのが薬膳の考え方ですから、この年代に不足しがちなものをしっかりと補うことで諸症状を改善し、気力体力を充実させてアンチエイジング生活を楽しみながら満喫していきましょう!この年代に突入したら、とにもかくにも「血と水」を増やしながら老化を主る「腎」を補うこと!これが早期閉経を回避してこの年代特有の不快な諸症状を改善し、見た目の衰えを防ぐ最重要課題になります。

(減ってきた女性ホルモンを補い、老化に歯止めをかけるおススメ食材)
ニラ、エビ、栗、くるみ、なた豆、にんにく、羊肉、山芋、ぶどう、梨、りんご、梅、ごぼう、昆布、ひじき、もずく、わかめ、なつめ、うずらの卵、豆腐、豆乳、牡蠣、アサリ、シジミ、はまぐり、なまこ、すっぽん、人参(生薬)、クコの実、桑の実、冬虫夏草、ハスの実など

5、49歳ごろに閉経。ホルモンバランスががらっと変わるため更年期独特の症状が出やすい時期。されど様々な煩わしさから解放されて女性として第二の人生をスタート!

中医学は長い歴史がありますが、閉経する年代は昔も現在も49歳ごろに大差ありません。この頃に注意すべきはホットフラッシュなどの冷えのぼせに加えて、めまいや頭痛、耳鳴り、ふらつき、精神不安など。大きくホルモンバランスが変わるために生活習慣病や骨粗鬆症に注意をしながら、ここからがアンチエイジングの正念場!!50代に入ると途端に目が見えにくくなるのも特徴。老眼や白内障など目に症状が現れやすい時期にもまたしっかりサラサラ血液を増やすことが必要です。

(視力低下や血管の老化を防ぎ、更年期障害や生活習慣病を予防する効果のあるおススメ食材)
クコの実、ヤツメウナギ、ブルーベリー、にんじん、シメジやマイタケ、しいたけなどのきのこ類、霊芝、人参(生薬)、せり、紅花、シナモン、緑の葉野菜、ニラ、エビ、栗、くるみ、梨、ぶどう、山芋、黒や白のきくらげ、かぼちゃ、玉ねぎ、トマト、なまこ、スッポン、牡蠣、はまぐり、しじみ、あさり、黒豆、黒きくらげ、黒ゴマ、黒酢、ひじき、いか、たこ、豆乳、豆腐、豚肉、鴨肉など

◆7月の薬膳レシピ

お肌プルプルのアンチエイジングメニュー「すっぽんの長寿スープ 和風仕立て」

滋養強壮効果満点のアンチエイジングメニューと言えば名実ともにスッポン!衰えた体にガソリンを注入したかのごとく元気と潤いを与えてくれる食材です。エビは体を温め精力を強める食材。タラや白菜で胃腸を整え、豆腐で潤いとイソフラボンを補給。マイタケは免疫力を高めてガン予防に効果が高いきのこ。香りのよい三つ葉と柚で気の流れも整え、身も心もスッキリ軽やかにしてくれます。

<材料>2人分
すっぽん缶詰2缶、昆布5×7センチ1枚、水150cc、タラなど白身魚の切り身1切れ、白菜1枚、豆腐1/4丁、まいたけ1/2パック、えび(カラと尾を取り、背ワタを取って)6尾、酒、三つ葉、へぎ柚適量、味を見て塩と薄口しょうゆ少々。

<作り方>

  1. エビは酒少々の入った湯で茹でて殻をむき背ワタを取る。タラは一口大に切り、酒少々を振りかけておく。白菜は食べやすくざく切り、豆腐は一口大、まいたけは小房に分け、三つ葉は2センチ長さにざく切りする。
  2. 鍋にスッポンスープ缶、水、昆布を入れて火にかけ、タラと白菜とまいたけを煮る。煮立ったら豆腐と下ごしらえをしたえびを加え、ひと煮立ちしたら味をみて、塩と薄口しょうゆ少々で味を調える。
  3. お椀によそい、吸い口に三つ葉とへぎ柚子を飾る。

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