【吉川珠美の栄養学コラム】3月号 花粉症予防

吉川珠美

 ようやく寒さが和らぎ、春の足音が聞こえてきましたね。しかし、いっぽうで気になるのは花粉症などのアレルギーではないでしょうか。最近では日本人の約30%になんらかのアレルギー症状があると言われています。花粉症や皮膚炎の症状はそれ自体が不快なだけでなく、お肌や美容はもちろん仕事もはかどりません。
 アレルギーの症状は、「免疫」が過剰に反応することで起こります。免疫細胞は本来、自衛隊のように細菌やウィルスなどから身体を守る働きをしているのですが、その働きのバランスが崩れると自分自身の細胞を過剰に攻撃し、炎症が起きてさまざまな症状が現れるのです。
 アレルギーは体質だから仕方がない、と思われる人も多いようですが、食べ物でその症状を軽減することは可能です。そのためにしっかりと摂取していただきたい栄養素がオメガ3系脂肪酸とビタミンCです。
 オメガ3系脂肪酸は魚介類、特にイワシやサバなどの青魚に豊富に含まれており、炎症を抑える物質を作り出しアレルギーの症状を緩和してくれます。また、血液をサラサラにして血行を促進してくれるので、青魚は冷え性の方にもオススメの食材といえます。
 反対に肉類や乳製品に豊富な飽和脂肪酸や揚げ物、炒め物に使われる一般的な植物油に含まれるリノール酸は、炎症を促進する働きをするので、食べすぎには注意が必要です。
 そして、ビタミンCは炎症を抑えるホルモンを分泌する副腎の機能を助けてくれます。副腎はストレスに対抗するホルモンも分泌しているので、普段からよくストレスを感じる方はしっかりとビタミンCを摂取しましょう。ビタミンCは新鮮な野菜や果物に豊富に含まれています。中でもパプリカにはビタミンCの働きを助けるカロテンやビタミンEも一緒に含まれているので免疫強化に役立つお野菜と言えます。
 さて今回はイワシをちょっとおしゃれに仕立てたシチリア風のお料理をご紹介しましょう。南イタリアのシチリア島では、新鮮な魚介にかんきつ類やナッツをあわせた料理がよく食べられています。このお料理も、イワシの旨味に松の実のコクが加わり、レモンの香りが後味にさわやかさを与えてくれます。辛口の白ワインと合わせると、おもてなしにもぴったりな一品です。しっかり食べて元気よく春の新生活をスタートしましょう!

いわしのシチリア風

2人分

いわし 8匹(大きければ6匹)
塩・胡椒 適宜
白ワイン 大さじ2
プチトマト 8個
パプリカ 1/2個
オリーブオイル 適宜
レモン 1/2個
  A
パン粉 1/2カップ
パルメザンチーズ 大さじ2
にんにく 1かけ
パセリ 適宜
松の実 大さじ1
レモンの皮 少々
オリーブオイル 適宜
塩、胡椒 適宜
  1. いわしは手開きにして腹骨と背びれを除き、塩・胡椒・白ワインをふりかけておく。
  2. Aの材料のにんにく、パセリ、レモンの皮はみじん切りにする。松の実は軽く炒っておく。
  3. ボウルにAの材料を入れて混ぜて香味パン粉を作り、仕上げ用を別にとっておく。
  4. 1のいわしを皮を下、頭を手前にしておき、3の香味パン粉の1/8量づつを乗せて巻く。
  5. グラタン皿にオリーブオイル(材料外)を塗って3を並べ、プチトマト、食べやすい大きさに切ったパプリカを乗せる。
  6. 仕上げ用の香味パン粉をかけ、オリーブオイルをまわしかけてオーブントースターで焼き色がつくまで加熱する。くし形に切ったレモンを添える。

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