加藤 恵実
適量とれば「百薬の長」ともいわれるお酒。年末年始は、忘年会や新年会など宴会やパーティーが多いシーズンです。つい飲む過ぎ体調も壊してしまったらせっかくの楽しい時間も台無しです。上手なお酒との付き合い方と、お酒を飲むときに一緒にとりたい栄養素を紹介します。
適量のアルコールは、消化吸収を促進、食欲増進、ストレス解消、循環器疾患の予防などが期待でき、健康にもよいといわれています。しかし、飲みすぎは肝臓を悪くし、肝疾患だけでなくがんや胃潰瘍などのリスクを高めます。アルコールには、肝臓で中性脂肪の合成を促進する働きがあるため、高カロリーのおつまみを食べると、体脂肪増加の原因になりますが、食べずに飲むのは、肝臓への負担をより大きくすることになるので避けましょう。
適量のアルコールと低カロリーなおつまみで、いつまでも美味しくお酒を飲みたいものですね。
お酒を飲むときに摂りたい栄養素
たんぱく質 | 肝臓でのアルコール代謝を高める働きをする。チーズなどの乳製品は、飲む前に摂ると胃壁を保護してアルコールの吸収を穏やかにしてくれます。でも摂りすぎは脂肪過多に。 | |
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ビタミンB1 | お酒に含まれる糖質の代謝にビタミンB1が必要なため、過剰摂取はビタミンB1不足を招きます。またアルコールはビタミンB1の吸収を阻害します。ビタミンB1を含む食品は、枝豆、豚肉、大豆・大豆製品、鮭、たらこ、うなぎ、ゴマなどの種実類などに含まれます。 |
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ナイアシン | ビタミンB群のひとつであるナイアシンはアルコール分解の補酵素だけでなく二日酔いの原因となるアセトアルヂヒドの分解を手助けする。かつお、さば、いわし、ぶり、鶏ささみ、レバー、ピーナッツなど | |
タウリン | 二日酔いを防ぐには、肝機能を高めるタウリンをとりましょう。貝類・たこなど | |
セサミノール | ゴマに含まれるセサミノールは二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの分解を助けます。すりゴマにして、消化吸収率を高めて摂取しましょう |
1日の適量の目安
ビールなら中びん1本 |
ワインなら200ml |
日本酒なら1合 |
ウイスキーなら60ml |
アルコールと上手く付き合うコツ
- 週1〜2日は休肝日をつくりましょう
- おつまみは低カロリーのものを
- お酒とお酒の間に水やお茶で休憩を
- 1日の量もしくは1週間の量を決めておこう
- カロリーオーバーにならないよう、揚げ物はほどほどにし野菜、海藻、きのこ類をたっぷりと
たこの和風カルパッチョ(2人分)
ゆでたこ | 150g |
黒こしょう | 少々 |
ワインビネガー(もしくはレモン) | 大さじ1 |
オリーブオイル | 大さじ1 |
白髪ねぎ | 1/4本 |
青じそ | 3枚 |
すりごま(白) | 大さじ1 |
作り方
- ゆでたこを、刺身の厚さよりも薄く削ぎ切りし少しずつずらしながら皿に盛り、黒こしょうを散らす。
- 青じそは、せん切りし水にさらす。白ねぎは5〜6cm幅のぶつ切りにし縦半分に切り繊維にそって細く切り水にさらす。
- ①の上に②の水気を切ったものをのせ、ワインビネガー、オリーブオイルをかけ、最後にすりごまを散らす。
Inner Beauty Point
たこやいかは、低脂肪の食品だけでなく、肝機能に効くタウリンを豊富に含んでいます。また、たこには、皮膚や粘膜の再生を助けるコラーゲンも含まれており、美容にもぴったり。ワインビネガーの代わりに季節のかんきつ類の果汁を絞ればビタミンCもとれ、体内でのコラーゲンの生成や保持の手助けにもなります。
トッピングのごまは、アルコールの分解を手助けするビタミンB1を含みます。
ごまと一緒にとりたいのが、ねぎやたまねぎなどです。これらには辛味成分である硫化アリルを含みビタミンB1の吸収率を高めるだけでなく、長時間にわたってビタミンB1の働きを持続させる効果もあります。お酒の肴に是非オススメしたい一品です。