【赤堀真澄の薬膳コラム】 7月号 「五色のチカラ・赤」

皆様こんにちは!季節はいよいよ楽しい夏を迎えますね。

日本は周りを海で囲まれた島国のため、夏は南国並みに高温多湿になります。湿気が体にたまってむくみを感じるわりに、食欲が減っても喉の渇きだけは頻繁に感じることでしょう。そんな時に「氷入りの冷たい飲み物をガブガブ」飲んで体の火照りを冷まそうとすると、胃液が薄まり消化能力が落ちて食欲不振を招き、一気に夏バテまっしぐらとなってしまいます。

そんな暑い夏の養生ポイントは
1、体にこもった余分な熱は食べ物の「冷やす」という効能で火照りをとること
2、強い紫外線による体のサビを防ぐこと

体の火照りに加えて、夏は紫外線による肌へのトラブルは計りしれません。肌や目から紫外線が入ると、脳は危険を察知してホルモンを分泌し、シミのもととなるメラニン色素を作るよう命令します。すると活性酸素が発生して肌のハリを保つエラスチンやコラーゲンの繊維が破壊され、たるみやしわの原因にもなります。そんな夏の肌悩みを解決するには「抗酸化作用」のある食べ物で内側からのケアが必須です。

夏の紫外線対策になる食材のキーワードはズバリ「赤」!
パプリカは緑のピーマンに比べて2.2倍のビタミンCを含み、お肌の美白に効果的。トマトの赤い色素のリコピンは自己を紫外線から守るために生み出された成分で、強力な抗酸化作用を持ち身体の老化を防ぎます。スイカのリコピンの量はなんとトマトより多く、汗で失われがちな潤いをしっかり補給して熱中症予防にも最適です。

赤い食材は夏の体の火照りを取り除き、暑さによる心臓への負担を軽減するものがたくさんあります。体をみずみずしく保ち血液を浄化しシミくすみを改善するので、夏の様々なお悩みに効く食材としておススメです!


赤い食材とは、トマト、スイカ、パプリカ、マグロ、カツオ、赤身の肉、なつめ、クコの実などを指します。

【トマト】

  • 性=涼 (食べた後体をやや冷まします)
  • 帰経=肝・脾・胃(身体に入ると肝と脾と胃に入っていって効能を発揮)
  • トマトは体液を補って喉の渇きを癒します
  • 抗酸化作用が高く、夏の紫外線の害から身を守ります
  • 冷たいものの摂りすぎによる消化不良や食欲不振を改善します

~トマトと白きくらげのふんわり卵炒め~

トマトはのどの渇きをいやして体を潤す抗酸化作用の高い食材。夏の暑い時期に体が乾いたらトマトを食べましょう!白きくらげと卵、トマトの炒め物は中国では定番の卵料理で、全てが体を潤す食材。我が家では一品料理としてだけではなく、ご飯に乗せて丼物としても登場します!

(材料) 4人分
トマト中2個、卵L3個、塩ひとつまみ、こめ油大さじ2、白きくらげ(乾燥)5g、バジルの葉12枚、オイスターソース小さじ2、戻したクコの実少々。

(作り方)

  1. 白きくらげは水で戻し、一口大の大きさに切って熱湯で10分茹でておく。水を切る。
  2. トマトは半分に切ってヘタを取りくし型に切る。卵は塩を加えて溶きほぐす。
  3. フライパンを熱しこめ油大さじ1をなじませ、溶き卵を加えて縁がふわふわしてきたらサッとかえして一旦取り出す。
  4. フライパンを再度熱し、再びこめ油大さじ1を入れ、白きくらげ、トマトを入れて炒める。トマトがしんなりしてきたら溶き卵を加える。オイスターソースを入れ、まんべんなく全体になじませたらバジルの葉を加えてさっと混ぜて火を止める。器に盛り付け、クコの実を散らす。

【パプリカ】

  • 性=温性(食べた後、体を温めます)
  • 帰経=肝・心・胃・腎(効能が肝・心・胃・腎に作用します)
  • パプリカはビタミンCを多く含み、粘膜の保護、疲労回復、お肌の美白に効果的です
  • 強力な活性酸素を抑制し、血液サラサラ効果で血液を浄化、シミ予防や老化に効果の高い野菜です

~パプリカのマリネ モッツアレラチーズ添え~

パプリカを真っ黒に焼いて皮をずるっとむき、バルサミコソースのマリネ液につけこんだと~~~っても美味しいレシピです!昔、海外駐在員夫人だった時に、おもてなし上手な奥様から教えていただき、その後何年も作りつづけているメニュー。焼いたパプリカのコクやとろみ、バルサミコ酢のほのかな酸味が夏の疲れた体に沁み入ります!

(材料)4人分 
パプリカ大2個、モッツアレラチーズ1袋、バルサミコ酢大さじ2、しょうゆ大さじ2、コンソメ顆粒小さじ半分を湯大さじ1で溶いたもの、粗引き黒胡椒適量

(作り方)

  1. パプリカは軸とワタを取って縦に8等分に切り、アルミホイルを敷いた天板に並べオーブントースターで皮が真っ黒になるまで焼く。トースターから出したらすぐに敷いていたアルミホイルで覆い、そのまま10分放置する。すると皮がズルッとむけるので黒く焼けた皮を取り除く。
  2. マリネ液に3時間~1晩漬け込む。
  3. 食べやすくスライスしたモッツァレラチーズに巻いてできあがり。

【まぐろ】

  • 性=温(食べた後、身体を温めます)
  • 帰経=肝・脾(効能が肝と脾に作用します)
  • まぐろは体力をつけ血を増やす食材です
  • 血を増やすことでお肌のツヤをアップさせ、体の乾燥を防ぎます

~マグロとアボカドの生春巻 ピーナッツの美肌ダレ添え~

薬膳ではマグロとアボカドの組み合わせは美肌メニューとして最強のゴールデンコンビ!夏のメニューなのでさっぱりと生春巻に。よくあるスイートチリソースにつけるのではなく、コクのあるクリーミーなピーナッツダレと一緒にいただきます。このタレ、一度作るともう二度とスイートチリソースには戻れないほど、生春巻に良く合いますよ!!

(ピーナッツの美肌ダレ材料)4人分
ピーナッツバター 大さじ1、みそ小さじ1、水 大さじ2
砂糖小さじ1、ケチャップ小さじ1、豆板醤小さじ1→全て混ぜ合わせる

(生春巻材料)4人分
マグロ(刺身用さく)100gを1本、アボカド1/2個、レモン汁1/2個分、きゅうり1/2本をマッチ棒程度の千切り、生春巻の皮(ライスペーパー)4枚、酢水適量、ピーナッツ美肌ダレ大さじ4(美肌ダレレシピ全量)。

(作り方)

  1. マグロを2センチ×5センチの棒状に切っておく。アボカドはくし形に切って、マグロとアボカドにレモン汁をふりかけておく。
    美肌ダレの材料を合わせておく。
  2. ライスペーパーは酢水につけて戻し、キッチンペーパーで水気を拭く。
  3. ライスペーパーを敷き、手前にマグロとアボカド、きゅうりを乗せ、ライスペーパーの両サイドを具の幅に合わせて内側に折返し、その後下からしっかりと巻きつける。
    (巻いた生春巻は1本ずつラップでくるんでおくとライスペーパーが乾かず、他の春巻同士がくっつかない)
  4. 平たい皿に食べやすく切った生春巻を切り口を見せるように盛り付け、ピーナッツの美肌ダレをスプーンで上から適量かけて出来上がり。

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